夙川・苦楽園|リンパのお話③ 全身のリンパは、鎖骨のあたりで血液に戻ります。
前回は、リンパには心臓のようなポンプがなく、筋肉や呼吸の力を借りてゆっくり流れている、というお話をしました。
今回は、そのリンパが「どこへ向かって流れているのか」のお話です。
◆ 小さな流れが集まって、大きな流れに
リンパ管は、皮膚のすぐ下にある、目に見えないほど細い管から始まります。
網の目のように全身に広がった細い管は、合流しながら、だんだん太くなっていきます。
いくつもの小川が集まって、大きな川になっていくように。
リンパも、細い管から太い管へと集まりながら、途中でいくつもの関所(リンパ節)を通って、からだの中心へ向かって進んでいきます。
◆ ゴールは、首の付け根の鎖骨のあたり
全身をめぐったリンパが、最後にたどり着く場所。
それは、首の付け根、鎖骨のくぼみのあたりです。
ここで、リンパは太い静脈に合流して、血液に戻ります。
血液からしみ出した水が、リンパとして集められ、鎖骨のあたりでまた血液に帰っていく。
からだの中の水は、こうしてぐるりとひとめぐりしているんです。

◆ 実は、左右で流れ方がちがう
おもしろいことに、リンパの流れは左右対称ではありません。
右の頭と首、右腕、右胸のあたりのリンパは、右の鎖骨へ。
それ以外の、左の上半身、おなか、そして両脚のリンパは、すべて左の鎖骨へ集まります。
つまり、全身のリンパのおよそ4分の3が、左の鎖骨のあたりに流れ込んでいることになります。

◆ 流れる向きも、だいたい決まっている
からだの表面を流れるリンパは、場所ごとに、どこへ向かうかがおおよそ決まっています。
・手や腕 → わきの下へ
・おへそより上の胸やおなか、ウエストより上の背中 → わきの下へ
・おへそより下のおなか、腰やお尻、脚 → 脚の付け根へ
・顔や頭 → 耳のまわりやあごの下を通り、首を下りて鎖骨へ
わきの下や脚の付け根に集まったリンパも、最後は鎖骨のあたりへ向かいます。
山に降った雨が、尾根を境にして別々の川へ流れていくように、からだの表面にも、流れの境目があります。
これを「リンパの分水嶺(ぶんすいれい)」と呼んでいます。

◆ 最後に
鎖骨のあたりは、全身のリンパの出口です。
リンパのケアをするときに鎖骨まわりを大切にするのは、このためです。
デスクワークの合間にできる鎖骨まわりのストレッチは、こちらの記事でご紹介しています。
次回は、リンパの通り道にある関所「リンパ節」のお話です。
風邪をひいたときに首が腫れるのは、なぜなのでしょう。
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