夙川・苦楽園|老廃物とコリは、同じものではありません。
「老廃物がたまっている」「肩がこっている」。
どちらも、よく耳にする言葉ですよね。
なかには、「老廃物がかたまったものが、コリ」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
でも、実はこの2つ、同じものではないんです。
老廃物は「もの」。コリは、からだの「状態」。
ただ、まったく関係がないわけでもありません。
今日は、老廃物とは何か、コリとは何か。
そして、2つはどうつながっているのかを、
できるだけわかりやすくお話しできればと思っております。
◆ 老廃物とは?
私たちのからだは、たくさんの小さな細胞でできています。
細胞は、生きているあいだずっと、食べたものと酸素を使って、からだを動かすエネルギーを作り続けています。
台所で料理をすると、野菜の皮や切れはしが出ますよね。
それと同じで、細胞がはたらくと、もう使わないものが出てきます。
これを、ひとまとめにして「老廃物」と呼んでいます。
たとえば、こんなものです。
・二酸化炭素
エネルギーを作るときに出るもの。
息といっしょに、肺から外へ出ていきます。
・尿素
たんぱく質が使われたあとに残るもの。
腎臓から、おしっこになって出ていきます。
・クレアチニン
筋肉がはたらいたあとに出るもの。
これも腎臓から、おしっこになって出ていきます。
・古くなった細胞
分解されたり、回収されたりして、片づけられていきます。
ちなみに、「乳酸は疲れのもと」と聞いたことはありませんか?
実は乳酸は、捨てるだけのゴミではありません。
からだの中で、もう一度エネルギーとして使われる、再利用できる燃料なんです。
「乳酸がたまって疲れる」「乳酸のせいで筋肉痛になる」という話も、いまは正しくないとされています。

◆ 老廃物は、どうやって外へ出ていくの?
出てきた老廃物は、その場に置きっぱなし、ではありません。
からだには、それを運んで、片づけて、外へ出す仕組みが、もともと備わっています。
ゴミの収集にたとえると、わかりやすいかもしれません。
・血液は「収集車」
全身をめぐって酸素や栄養を届けながら、帰り道で二酸化炭素などを集めて運びます。
・リンパ液は「すき間のお掃除係」
細胞のまわりにたまった余分な水分やたんぱく質などを拾い集めて、血液の流れに戻します。
・肝臓や腎臓は「清掃工場」
運ばれてきたものを分解したり、こし分けたりして、おしっこなどにして外へ出します。
「老廃物はリンパで流す」と言われることもありますが、リンパだけががんばっているわけではありません。
血液、リンパ、肝臓、腎臓、肺。
いくつもの仕組みが、チームで片づけてくれているんです。
リンパのことは、シリーズ「リンパのお話」でくわしく書いていますので、よかったらそちらもご覧くださいね。

◆ コリとは?
パソコンに向かって、長い時間同じ姿勢でいると、首や肩がずーんと重くなってきますよね。
頭の重さは、体重の1割ほどと言われています。
体重50kgの方なら、約5kg。
その頭を、首や肩の筋肉は、一日じゅう支え続けています。
うつむく姿勢が続くと、その負担はさらに大きくなります。
買い物袋を同じ手でずっと持っていると、だんだん腕がだるくなってきますよね。
首や肩は、毎日それをしているようなものなんです。
こうして筋肉の緊張が続いたときに感じる、かたさ、重さ、だるさ、痛み。
それを、私たちは「コリ」と呼んでいます。
つまりコリは、何かが固まってできた「かたまり」ではありません。
筋肉がずっと力を入れたままになっている、からだの「状態」のことなんです。

◆ コリがあると、からだの中で何が起きるの?
筋肉の中には、細い血管がたくさん通っています。
筋肉がずっと縮んだままだと、その血管が押されて、血液の流れが悪くなることがあります。
庭のホースを足で踏むと、水の出が悪くなりますよね。
かたくなった筋肉は、ちょうどそんなふうに、血管を押してしまうんです。
流れが悪くなると、
・酸素や栄養が届きにくくなる
・老廃物などが運ばれにくくなる
そんなことが起こりやすくなります。
そこに、痛みに関わる物質や、神経の感じやすさも重なって、重だるさや痛みにつながると考えられています。
ただ、コリの原因は、ひとつではありません。
姿勢、筋肉の使いすぎ、冷え、ストレス。
人によって、いくつものことが重なっています。

◆ では、老廃物とコリは、どう関係しているの?
ここまでのお話をまとめると、
老廃物は、細胞がはたらいたあとに出る「もの」。
コリは、筋肉の緊張が続いている「状態」。
さきほどのホースでいうと、ホースは血管、踏んでいる足は、かたくなった筋肉です。
ホースが踏まれていると、水といっしょに運ばれるはずのものも、流れにくくなります。
でも、流れを止めているのは、中にたまったゴミではなく、ホースを踏んでいる足のほうですよね。
老廃物とコリも、同じです。
コリそのものが、老廃物のかたまりというわけではありません。
ただ、筋肉の緊張が続いて流れが悪くなると、老廃物も運ばれにくくなる。
2つは別のものですが、そんなふうにつながっているんです。

◆ ほぐすと、何が起きるの?
施術のあとに、「肩が軽くなった」「首が回しやすくなった」と感じたことはありませんか?
手でほぐすことで、
・かたくなっていた筋肉の緊張が、やわらぐ
・かたさや痛みが、やわらぐ
・からだが、動かしやすくなる
・心とからだが、リラックスする
こうした変化が起こりやすくなります。
ホースでいえば、ほぐすことは、ホースを踏んでいた足を、そっとどけてあげるようなもの。
筋肉がゆるむと、血液やリンパの流れが整って、からだの中のいらないものが運び出されやすい状態になります。
運び出されたいらないものは、最後は「清掃工場」の腎臓でこし分けられて、おしっこといっしょに外へ出ていきます。
だから、施術のあとは、お水をしっかり飲んでいただきたいんです。
白湯か常温のお水を、コップ一杯。本当は500㏄飲むのが良いとされています。
水分をしっかりとって、いらないものは、おしっことして外へ出してしまいましょう。
からだが、よりスッキリしてきますよ。

◆ 最後に
老廃物は、細胞がはたらいたあとに出る「もの」。
コリは、筋肉の緊張が続いている「状態」。
同じものではありませんが、流れを通して、つながっています。
かたくなった首や肩は、そのままにしておかずに、ゆるめてあげましょう。
そして、ほぐしたあとは、お水をしっかり。
いらないものは、おしっこといっしょに外へ出してしまいましょう。
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